私がはじめて地域と関わったのは、24歳でリフォーム会社を立ち上げてから2年目のことでした。なかなか業績を上げられず苦しんでおり、その原因を考えていたところ、地元の仕事が一つもないということに気づいたのです。
そこで、まずは地元で仕事をつくるために何かを始めなければと思い、早朝に会社の周りのゴミ拾いをするようになりました。毎朝ゴミ拾いを続けているうちに、朝散歩をしている地元の方々に出会う機会が増えました。
そこで出会ったのがたまたま町内会の役員をしている方で、家のリフォーム相談や太陽光の相談、そして空き家という困りごとを相談されるようになりました。この経験を通じて、地域の中には小さな「困りごと」がたくさんあることを知りました。
地域の課題を地域で解決する。そしてそれがきちんとビジネスとして回っていく。そんなつながりを作っていこうとそのとき決意をしました。
そんななか、2033年になるとデータ上では日本にある家の3件に1件は空き家になってしまうという予測を知りました。空き家は地方だけが抱える問題ではなく、首都圏でももちろん起こりうる問題です。
リフォームを生業とする企業として、やはりこれは見過ごすことのできない課題だと感じ、空き家の存在自体が地域の困りごとになってしまうという危機感を覚えました。