空き家問題は都市部、地方関係なく、全国的に深刻になっている社会問題です。
総務省の古い記録だと昭和38年には約52万戸/空き家率2.5%だったものが、調査するごとにその件数が伸び、平成30年には約846万戸/13.6%を占めるようになりました。平成の30年間だけでも452万戸の住宅が空き家となっています。
そして、空き家の増加はさらに加速し、2033年(令和15年)には空き家率が30%を超えるという予想がされています。これは3件に1件が空き家になってしまうということです。
空き家は景観的、衛生的な問題だけでなく、イタズラや犯罪に使用されるケースがあります。また災害時には倒壊や火災の恐れが考えられます。
だからといって簡単に建て替えられるものでありません。空き家を維持する、取り壊す、建て替える、そして更地にした空き地、どの選択肢をとったとしてもオーナーの管理及び金銭的負担は大きいものになります。そのため、空き家をそのままにしておくケースも多いのが現実です。
一方で、災害時に支援のために被災地へ足を運ぶことがあります。そこで目にした状況に衝撃を受けました。
熊本地震発生直後に向かった地でテント生活をされている80代のご夫婦がいらっしゃいました。その理由を聞くと「3㎞先に大きい避難所があるが、高齢の私たちにはとても遠い距離」「近所の公民館も自宅も倒壊の恐れがあって入れない」、そのためテント生活を強いられていたのです。
昼間は猛暑です。過酷な生活環境にショックを受けました。またいつ発生するかわからない災害への備えとして「避難先」が課題となりました。
避難所が安心できない、いつも集まる場所が避難できる場所だったら…このような現状を知ってから、長い時間をかけて空き家問題と避難所問題を解決する策を探していました。
そして、これらの問題解決策となるsolar crewを立ち上げることになりました。
増え続けて困る空き家が少なくて困る避難所としての機能をもったコミュニティの拠点となっていきます。
私たちの起こすイノベーションは拠点が増える毎に、空き家が有効活用され、地域に避難所が増えます。そして、この空き家だった拠点は次なる地域課題の解決拠点に変わります。